研究課題/領域番号 |
18591515
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
上田 隆 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (80346262)
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研究分担者 |
安田 武生 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (20403248)
黒田 嘉和 神戸大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70178143)
新関 亮 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (60444593)
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キーワード | 重症急性膵炎 / Toll受容体 / HMGB1 / 炎症 / 免疫 / 臓器障害 / 感染 |
研究概要 |
1.重症急性膵炎におけるToll様受容体(TLR)の発現動態、TLRを介した生体反応、TLRの役割の解析 1)ラット重症急性膵炎モデルにおいて肺胞マクロファージにおけるTLR2とTLR4の発現が減弱し、 TLR2とTLR4を介したサイトカイン産生能が低下していることを明らかにした。 2)ラット重症急性膵炎モデルの腸管上皮においてTLR2とTLR4は絨毛の先端およびクリプト(おもにパーネート細胞)に局在し、TLR2とTLR4の発現および活性化NFκBが一旦増強し、その後減弱していることを明らかにした。 3)TLR4欠損マウスを用いて重症急性膵炎を作製すると野生型マウスに比して臓器障害が軽減し、 感染(バクテリアル・トランスロケイション)が増悪することを見出した。 2.重症急性膵炎におけるHMGB1の発現動態とその意義の解析 1)重症急性膵炎臨床例の血液サンプルを用いて血中HMGB1濃度をELISAで測定し、重症度、臓器障害、感染、生命予後と関連していることを示した。 2)ラット重症急性膵炎モデルにおいて血中HMGB1濃度の推移(上昇)、主要臓器(膵、肝、腎、肺、小腸)におけるHMGBI蛋白の発現およびその経時的変化(増強)を明らかにした。 3)マウス重症急性膵炎モデルにおいて、抗HMGB1中和抗体の前投与は、膵炎の程度を軽減し、臓器障害を改善するが、感染(バクテリアル・トランスロケイション)を増悪することを明らかにした。
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