研究分担者 |
平田 公一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50136959)
梶 晋輔 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (90404623)
柴田 稔人 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80404622)
永山 稔 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40398326)
目黒 誠 札幌医科大学, 医学部, 助教 (50448601)
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研究概要 |
本年度はヒト肝細胞の安全な採取と手技を確立するために、副次的に行なっていた肝切除術における門脈血流の意義をラットで証明した(Nobuoka T, Mizuguchi T, et. al. Eur Surg Res.2006;36:522-32)。門脈血流を肝切除直後に抑制する事で一時的な肝再生が抑制される事を証明した。しかしながら、最終的な肝再生は門脈血流を制御しても同様に起きる事から、バッファー効果としての動脈血流の増加が示唆された。また、肝細胞の分離効率に影響する肝線維化は肝炎や肝癌とも深く関連している。新規のiNOS阻害剤であるFR260330の経口投与により肝硬変が抑制できる事を証明した(Kikuchi H, Mizuguchi T, et. al. Wound Repaif Regen. 2006;15:881-8)。これは、生体肝細胞移植の前処置や肝硬変そのものの治療法として期待される。肝線維化は,類洞障害が起きる事から血中ヒアルロン酸を上昇させる。ヒアルロン酸が高い場合は、線維化が高度であり、術後の合併症も高く予後も不良である事を発表した。一方では、分離された肝細胞のバンク化にガラス化法による大容量凍結法の開発を試みたが、凍結温度や時間と溶媒組成などを検討したが、明らかに既製品の凍結保存液より細胞の解凍後生存率で優位な方法と条件の決定にはいたらなかった。これは、既製品の凍結保存液でも24時間の安定した保存は可能である事を示していたが、さらなる長時間で安定した保存法の開発が急務と考えられた。
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