研究分担者 |
斎藤 拓朗 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20305361)
見城 明 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40305355)
木村 隆 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00381369)
寺島 雅典 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (40197794)
後藤 満一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50162160)
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研究概要 |
近年,骨髄由来細胞幹細胞の存在が報告され,さらに骨髄移植後のウイルス性肝炎における肝臓の筋線維芽細胞が骨髄由来である可能性が報告されるなど、臨床的にも多くの骨髄由来細胞が肝線維化の過程に関与している可能性が注目されている。本研究では肝線維化に関与する骨髄由来細胞の動員が、いつどのように誘導されるかを肝内外の病変について明らかにすることを目的とした。 平成19年度は,肝線維化モデルにおける骨髄細胞の供給と分化誘導を検討するために,放射線照射マウスの骨髄をグリーンマウス骨髄細胞で置換し、骨髄が生着した時点で胆管結紮を行って肝線維化モデルを作成した。検討は生体下のGFP蛍光量の測定による細胞量の定量化,組織標本作成後の免疫染色による肝構成細胞への分化などにより行った。特に免疫多重染色により各細胞の分化過程を明らかにし総合的に肝線維化過程における骨髄由来細胞の関与を検討した。胆管結紮後14日までの肝の組織学的変化について観察を行ない、線維芽細胞の由来について検討した。この際、anti-fibroblast specific protein (FSP)-1 antibody, anti-alpha-smooth muscle actin (α-SMA) antibodyを用いた免疫染色を行った。以上の結果、胆管周囲の線維化は胆管結紮後7日までの早期において線維芽細胞の存在が確認され、線維化に関わる細胞の多くはグリーンマウス由来ではなかったが、グリーンマウス骨髄由来の細胞も散見された。さらにグリーンマウス骨髄由来細胞中にはFSP-1抗体陽性細胞、α-SMA線維芽細胞抗体陽性も見受けられた。これら骨髄由来細胞が胆管結紮後の肝線維化に関わっていることが明らかとなった。
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