研究課題/領域番号 |
18591522
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
高 済峯 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (80305713)
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研究分担者 |
中島 祥介 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00142381)
藤村 吉博 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (80118033)
松本 雅則 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (60316081)
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キーワード | 肝移植 / ADAMTS13 / von Willebrand因子 / 拒絶反応 / 診断マーカー / 肝切除 |
研究概要 |
生体部分肝移植症例において、特に、虚血再灌流障害がおこりやすいとされる脂肪肝グラフトの移植において、移植直後にADAMTS13が特に著しい減少を示すことが判明した。その減少度合は、移植前に正常の100%以上であったADAMTS13活性が、移植後1日目で10%以下に低下するという、他疾患では類を見ないほどの急激な減少であった。UL-VWFMの測定を経時的に行った。移植後比較的早期に起こった急性拒絶反応の際には、血小板数の減少とともに、ADAMTS13の著明な低下と、UL-VWFMの出現が観察された。ただ、グラフト機能の発現が良好な揚合は、UL-VWFMの出現を伴わず、ADAMTS13も速やかに回復した。また、肝移植症例との比較を目的に、移植を伴わない通常の肝切除症例においても術後のADAMTS13活性の変動を検討したところ、肝切除症例でのADAMTS13活性は、肝移植症例に比べると軽度ではあるが、大量肝切除で低下しやすい傾向が認められ、さらに症例データを蓄積して確認する必要がある。動物実験に関して準備しているADAMTS13欠損ノックアウトマウスでは、異常な血管内微小血栓による障害がおこらず、なんらかの代償機転が存在していることが示唆された。
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