研究課題/領域番号 |
18591525
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
石井 雄二 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40212831)
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研究分担者 |
小幡 徹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (80119776)
柴 浩明 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (40366240)
伊藤 隆介 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80366202)
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キーワード | 内因性カンアビノイド / 2-AG / HMGB-1 / IL-8 / CB1受容体 / RAGE / 肝細胞癌 |
研究概要 |
本研究の目的は、特に慢性肝疾患における脂質メディエータ、サイトカイン、High mobility group box-1(HMGB-1)を三本柱(これはひとつのカスケードにあることが予測されている)とし、その関連を解析することによる慢性肝疾患に対する新たな治療戦略の構築である。方法・対象:慢性肝疾患(慢性肝炎;CH、肝硬変;LC、肝細胞癌;HCC)および健常ボランティアの脂質メディエータである血清内因性カンナビノイド(CB)(AEA:anandamideと2-AG:2-arachydonoylglycerol)、炎症性サイトカイン(IL-1,6,8&12、TNF-α、IFN-γ)、HMG8-1を測定。さらに切除肝のCB受容体(CB1&2R)、HMGB-1の受容体RAGE(receptor for advanced glycationend products)の発現を免疫組織学的に検討した。結果:血清2-AGはHCC群で健常ボランティア、CH群、LC群に比し有意に高値を示し、進行度も反映した。また発癌および再発の新たなマーカーになることが示唆された。血清AEAは、そのような関連は得られなかった。またHMGB-1も2-AGと同様な関連が得られた。炎症性サイトカインでは、IL-8がHCCの進行度に関連していた。CB1Rの発現が、HCC悪性度に関連し、肝細胞癌株(Hep3B)を用いたin virtoの検討から、CBlRのantagonistがその増殖を抑制した。またRAGEの発現も再発および生存率に関連していた。結語:2-AG、IL-8およびHMGB-1はHCCの再発・進行度の新たなマーカーとなる可能性が示唆されるとともにCB1RおよびRAGEという二つの受容体を含めHCCの新たな治療戦略のkey Factorsであり、これらを包括的に制御することが重用である。
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