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2008 年度 実績報告書

移植肺へのインターロイキン10経気道的遺伝子導入による拒絶反応抑制効果

研究課題

研究課題/領域番号 18591537
研究機関東北大学

研究代表者

近藤 丘  東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10195901)

研究分担者 松村 輔二  東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (80281997)
岡田 克典  東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (90323104)
星川 康  東北大学, 病院, 助教 (90333814)
キーワード肺移植 / 拒絶反応 / 免疫寛容 / インターロイキン10
研究概要

本研究では, インターロイキン10(IL-10)遺伝子をラット移植肺へ経気道的に導入し、拒絶反応抑制効果が得られるか否かにつき検討した. BNラットより左肺を摘出し, ヒトIL-10遺伝子を内包した遺伝子プラスミド(pCMVhlL-10), またはコントロールプラスミド(pCMVβ)をcationic liposomeを媒体として経気道的に遺伝子導入した. 遺伝子導入後, ドナー肺をMHC不適合のLewラットに同所性に移植した. 移植後6日目に移植肺を摘出し, 移植肺の拒絶反応のstage(0-IV)を組織学的に評価した. また, 拒絶反応に伴う急性炎症の病理学的パラメーター(リンパ球浸潤, 浮腫、肺胞内出血、壊死)を設定し, 各所見が切片全体に占める割合に基づき, それぞれの程度を0-4にスコアリングした. IL-10群(n=7)ならびにコントロール群(n=6)の拒絶反応のstageは, 3.1.0±0.4 vs. 3.8±0.4であり, IL-10群で拒絶反応の進行が有意に抑制されていた. 急性炎症のパラメーターのスコア(IL-10群vs.コントロール群)は,リンパ球浸潤 : 3.4±0.5 vs. 3.2±0.4, 浮腫 : 2.3±0.8 vs. 3.2±0.4, 肺胞内出血 : 0.3±0.5 vs. 2.2±0.8, 壊死 : 0.3±0.5 vs. 1.2±0.5であり、浮腫, 肺胞内出血, 壊死の程度がIL-10群において有意に軽減されていた. 本研究の結果から, Gationic liposomeを媒体とする移植肺へのIL-10遺伝子の経気道的子導入が, ラット移植肺急性拒絶反応を有意に抑制することが示された. また, 移植肺内のサイントカイン発現を定量RT-PCR法にて測定したところ, IL-10群でIL-2およびINF-αの発現が有意に抑制されていることが判明した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 肺移植後急性拒絶反応の診断と治療-臨床上の問題点とラット肺移植モデルを用いた基礎的な研究2008

    • 著者名/発表者名
      岡田克典, ほか
    • 学会等名
      第108回日本外科学会総会
    • 発表場所
      長崎
    • 年月日
      2008-05-16

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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