研究概要 |
内外のSNPsデータベースを用いて、対象遺伝子においてアミノ酸配列が変化を引き起こすnon-synonymous SNPsを検索した。このうち特に、通常でのvariantの出現頻度の低いもの(アレルとして1%程度)、種を超えて保存されている領域のものなどの条件を設定して、対象とするSNPsを絞り込み、肺癌患者での出現を調べた。 a.検討対象とする遺伝子およびnonsynonymous SNPsの選定 DNA damage repair関連遺伝子を幅広く抽出して研究対象とした。 アメリカの国立環境健康科学研究所のデータベースを用いて、上記遺伝子において目的の発現する蛋白質の変化によりDNA修復機能低下を起こすことが予想されるSNPsを抽出し、日本のJSNPSを用いて日本人におけるその出現頻度を確認した。 その結果、以下のDNA damage repair関連遺伝子において、通常発現頻度が低いnon-synonymous SNPsが同定された。 Base Exsion Repair : RFC1-5,PCNA,POLδ1-2,POLβ,POLε,POLλ,POLI,LIG1,LIG3,XRCC1,PNK1,ADPRT1,TDG,SMUG1,MBD4,0GG1,MYH,MPG Double Strand Break Repair : RPA,Chk1Chk2,GADD45,BRCA1,NFkB,Mre11,Rad17,Hus1,Rad51c Mismatch Repair : MSH3,MSH6,MLH1,PMS1 b.肺癌患者におけるSNPsの出現の検索 上記、遺伝子について対象となるSNPsの存在する領域に対してPCR用のプライマーを作成し約500bpを増幅し、シーケンスを調べた。その結果、XRCC1で45%、POLλで40%、TDGで38%、Rad9で16%と高頻度での出現が認められるSNPsが確認された。
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