研究課題
基盤研究(C)
内外のSNPsデータベースを用いて、対象遺伝子においてアミノ酸配列が変化を引き起こすnon-synonymous SNPsを検索した。このうち特に、通常でのvariantの出現頻度の低いもの(アレルとして1%程度)、種を超えて保存されている領域のものなどの条件を設定して、対象とするSNPsを絞り込み、肺癌患者での出現を調べた。その結果、XRCC1で45%、POLλで40%、TDGで38%、Rad9で16%と高頻度での出現が認められるSNPsが確認され、正常人コントロール群の発現頻度との間に差異が認められた。特にXRCC1 Arg194Trp、POLδ1 Arg119Hisではhomo variantが肺癌患者群で多くみられ、またTDG Gly199Serに関しては逆にhomo variantがコントロール群に多く、これらのバリアントの組み合わせで原発性肺癌の発症リスクを予測することが可能であった。遺伝子の不安定性は癌細胞の特徴であるが、それによってDNAに高度の損傷を生じるようであれば、癌細胞さえもはや生存できなくなり、分裂期における細胞崩壊(mitotic catastrophe)により死滅すると考えられる。DNA修復遺伝子群はこのような癌細胞の崩壊を回避するために機能しており、結果として癌細胞の生存を保証しているのではないかと考えられる。細胞の癌化、およびその維持の両面からDNA修復遺伝子群の機能は重要な働きを持つと考えられ、今回確認されたnon-synonymous SNPsを用いることにより原発性肺癌の発症リスクを予測することができると考えられた。
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Dncol Rep (in press)
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ページ: 157-167
Cell common adhes 14
Oncology Reports (印刷中)
ページ: 2008