研究分担者 |
佐野 由文 岡山大学, 医学部歯学部附属病院, 助手 (60322228)
青江 基 岡山大学, 医学部歯学部附属病院, 助手 (80260660)
豊岡 伸一 岡山大学, 医学部歯学部附属病院, 助手 (30397880)
山根 正修 岡山大学, 医学部歯学部附属病院, 助手 (20432643)
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研究概要 |
心停止後10分以内にヘパリンを静脈内に投与し、心マッサージを行うことにより、血栓形成を防止できることは、われわれの研究(Inokawa et al.J Thorac cardiovasc Surg 129:429-34,2005)ですでに証明されていた。そこで、18年度の研究では、心停止後のヘパリン投与の安全投与時間を明らかにすべく以下の実験を行った。 雑種成犬を使用して、体格の一致した2匹のペアーで左肺移植実験(n=25)を行った。ドナー犬は、potassium chlorideの静脈内投与で犠牲死させ、2時間室温に放置した。ヘパリンの投与時期によって、以下の5群(各n=5)に分けて検討した。 H0群:心停止前にヘパリン(1,000U/Kg)を投与 H10群:心停止10分後にヘパリン(1,000U/Kg)を投与 H30群:心停止30分後にヘパリン(1,000U/Kg)を投与 H45群:心停止45分後にヘパリン(1,000U/Kg)を投与 H60群:心停止60分後にヘパリン(1,000U/Kg)を投与 2時間後にドナーの左肺を摘出し、左肺移植を行った。右肺動脈を結紮した後3時間、人工呼吸器下に移植肺の機能評価を行った。その結果、心停止後30分以内であれば、血栓形成が防止できるが、それ以上の温虚血時間があると、移植肺の機能低下をきたすことが証明された。心臓死下のヘパリン投与は、心停止後30分以内におこなうべきであると結論した。
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