研究課題/領域番号 |
18591549
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
伊達 洋至 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60252962)
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研究分担者 |
佐野 由文 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60322228)
豊岡 伸一 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30397880)
山根 正修 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (20432643)
大藤 剛宏 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40452578)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 肺移植 / 心臓死ドナー / ウロキナーゼ / 心マッサージ / ヘパリン |
研究概要 |
心臓死した個体の肺の血管内では、時間の経過とともに血栓が形成される。心停止前に移植を目的としてヘパリンなどの抗凝固剤を投与することは禁じられており、血栓対策は、心臓死ドナーからの肺移植を行う際の重要な課題である。そこで、心停止後(10分)にヘパリンを静脈内投与し、心臓マッサージを加えることにより、肺内の血栓形成を予防することができることをわれわれは報告してきた。犬を用いて心臓死ドナーからの肺移植を行って、心停止後のヘパリン投与の有効性と安全投与時間、およびウロキナーゼなどの血栓溶解剤による安全温虚血時間の延長を明らかにする目的で本研究を行った。 (実験1) ヘパリンの安全投与期間を検討した。雑種成犬50匹を使用して、25回の左肺移植を行った。ドナーはpotassium chlorideの静脈内投与によって犠牲死させ、2時間室温に放置した。ヘパリン(1,000U/kg)の投与時期によって5群(それぞれn=5)に分類した。心停止30分を超えると、酸素化能の低下および血栓形成の指標であるTAT complexの増加が認められた。心停止後にヘパリンを投与する場合には、心停止後30分前後が安全投与時間であると思われた。 (実験2) 心臓死後のドナーにヘパリンに加えてウロキナーゼを投与し、心マッサージすることによって、許容される温虚血時間を延長することを目的に本実験を行った。雑種成犬24匹を使用して、12回の左肺移植を行った。ドナーは心停止後2時間室温に放置した。ヘパリン(1,000U/kg)のみを投与する群とヘパリンに加えてウロキナーゼ(240,000単位)を投与する群を比較検討した。ウロキナーゼは、すでに肺微小血管内にすでに形成されていた血栓を溶解し、ヘパリンの安全投与期間を60分まで増加させた。
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