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2006 年度 実績報告書

悪性胸膜中皮腫に対するMCI-186を用いた新たな分子標的治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18591554
研究種目

基盤研究(C)

研究機関高知大学

研究代表者

割石 精一郎  高知大学, 医学部附属病院, 講師 (00403882)

研究分担者 前田 博教  高知大学, 医学部附属病院, 講師 (20335946)
久米 基彦  高知大学, 医学部附属病院, 助手 (80346725)
穴山 貴嗣  高知大学, 医学部, 助手 (30403893)
キーワード悪性胸膜中皮腫 / 分子標的治療 / シグナル伝達 / アポトーシス / 癌
研究概要

本研究は、抗酸化剤、特に脳梗塞治療に用いられているラジカルスカベンジャーであるMCI-186(edaravone)と抗癌剤の併用による、悪性中皮腫細胞に対する抗腫瘍活性増強について解析することを目的としている。
抗癌剤の腫瘍殺傷効果の機序としては、蛋白代謝阻害、細胞分裂抑制とともに、細胞内フリーラジカル発生による細胞傷害作用がある。特にAdriamycin等の抗癌剤では,腫瘍細胞内でのフリーラジカル発生が細胞障害作用のメカニズムのひとつであると考えられている。この点で,抗酸化物質は抗癌剤によって発生するフリーラジカルの作用を減弱するという懸念が考えられる。このため本年度は、1)Adriamycin添加でのMCI-186併用の抗腫瘍活性への影響についての解析。2)ラジカルスカベンジャーMCI-186と各種腫瘍細胞を用いたインビトロ実験での細胞増殖抑制及びEGFRリン酸化抑制について主に解析を進めた。
悪性中皮腫細胞株MSTO-211Hを含む各種ヒト由来腫瘍細胞株と抗癌剤との併用において,MCI-186はマイトマイシンCとの併用で腫瘍増殖を抑制し,さらにAdriamycinによる腫瘍増殖抑制に対しても相乗的に細胞増殖抑制を示した。このことは、MCI-186がフリーラジカル産生を来す抗癌剤との併用においても逆に抗腫瘍活性が期待できることを示している。MCI-186単独ではDAPI染色にて腫瘍細胞のアポトーシスは認められず,またPropidiumIodineによる細胞回転の解析にて、G0/G1期での細胞回転の停止が認められたことから、MCI-186による細胞増殖抑制効果は殺細胞性ではないことが考えられた。
抗癌剤とMCI-186添加時のEGFRのリン酸化解析では、抗癌剤(MMC)単独またMCI-186単独添加のいずれにおいてもEGFRリン酸化が抑制されていたが、両者の併用においてさらに強いEGFRリン酸化の抑制が観察された。これらの結果は、MCI-186が抗酸化剤としての作用だけではなく、EGFRの細胞内シグナリングの抑制をもたらすことを示唆している。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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