研究課題/領域番号 |
18591561
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
藤本 哲男 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50267473)
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研究分担者 |
西田 博 東京女子医科大学, 大学病院, 講師 (50147427)
清水 達也 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (40318100)
白石 泰之 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (00329137)
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キーワード | 人工臓器 / 再生医療 / リニアアレイセンサー / 循環シミュレータ / 血圧測定 |
研究概要 |
従来より使用されてきだ圧力センサーは、平板型のリニアアレイ圧カセンサーであり、共通のダイアフラム上に複数のエレメントが並んでいるため、エレメント問の相互の力学的影響つまりクロストークが問題になる。またこの方式では平板のダイアフラムを使うことからセンサーの感度を上げることも困難である。本研究の応用対象となる人工臓器や生体組織における圧力分布を高精度に測定するには新たな方式が必要とされる。従来用いられていた平板リニアアレイセンサーにおける感度とクロストークという問題を解決するために新規的な溝付きのリニアアレイセンサーを考案して実用化を目指している。この新圧力センサーでは、シリコーンの単結晶平板にセンサー長手方向と垂直な方向に溝を設け、それぞれのビーム面上にはひずみゲージを配置している。このセンサーの特徴は、溝を設けたことにより平板では問題であった感度とクロストークの問題を解決する可能性が十分にあることは有限要素法による構造解析により予測された。センサーの寸法は0.5×4.3×0.1mmという微小なシリコーンチップ上に10組の圧力センサーをフォトエッチング法により製作した。設計では溝部の厚みは20μmであるが、昨年度まではセンサーの加工条件、剛性等により実際には溝部の厚みは厚くなるという問題があった。昨年度までは溝部の厚みは加工条件から120μmまでしか製作できなかったが、今年度は溝部50μmまで製作が可能となった。この新たに製作した「深溝」を有するセンサーに荷重付加試験を行った。荷重はピンポイント状となるように微小面積(直径0.1mmの円形)に0.069gfが負荷された。このピンポイント荷重をセンサーのビーム周域全面にわたり加えることにより新センサーの測定分解能を評価した。その結果、ピンポイント荷重の0.1mm変位に対して出力電圧は0.8v変化するという新センサーの高感度が明らかとなり人工臓器や生体組織における圧力分布を測定するために十分な性能であると考えられた。この成果は今年度中に関連する国際学会で報告する予定である。
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