研究概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの変性疾患において選択的運動ニューロン死が起こるが、家族性ALSモデルにおいて運動ニューロンに選択的に酸化ストレスが加わり、ミトコンドリア依存性アポトーシスにより細胞死が起こることが報告されている。われわれは運動ニューロンには酸化ストレス処理酵素(superoxide dismutase,SOD)がグリア細胞に比べて少なく、脊髄損傷後には運動ニューロンに選択的に酸化ストレスが発生して細胞死が起こることを初めて報告した。しかし、酸化ストレスが脊髄運動ニューロン死を招来するメカニズムはいまだに解明されておらず、本研究の課題とした。 1.脊髄損傷モデル Adult male Sprague-Dawleyラット(300-350g)をisoflurane 2%,酸素30%,笑気70%の吸入麻酔下腰髄膨大部を血管クリップ(把持力15g、5秒間)で圧迫した。 2.運動ニューロン死の確認 脊髄損傷1,2,3,5日後にラット腰髄膨大部を摘出し、免疫組織学的手法などを行って運動ニューロンの細胞死が起こることを確認した。 上記脊髄損傷モデルを確立し、選択的運動ニューロン死が起こることを確認した。
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