研究概要 |
脳梗塞は厚生労働省発表の人口動態統計においても、脳血管障害による死亡のうち脳梗塞が半分以上を占めている上に、前述したとおり要介護となる原因の主要な要因である。失われた脳機能が移植治療にて改善可能であるならば、医療経済学的にも大きな意味を持つものと考えられる。 ラット脳虚血モデルの他に、マウス虚血モデルとして、レーザードップラーにて血流モニター(Omegaflow, Japan)下に、ナイロンスレッドによる中大脳動脈閉塞モデル(30分および2時間)を用いた。移植はステレオ装置(Narisgige, Japan)を用いて以下の実験目的に合致したターゲットへ移植する。移植細胞としてはマウス胚性幹細胞、サル胚性幹細胞、ラット骨髄間質細胞を用いた。 本年度は以下の実験を行った (1)移植細胞をより高率にターゲット領域の細胞へ分化させるために新しく開発された胚性幹細胞からtelencephalonの神経細胞へ特異的に分化させる方法であるSFEB法を用いた実験を行った。SFEB法を用い、更にcell-sortingを行うことにより、腫瘍形成能を減少し、運動機能の改善を認めることが確認された。 (2)骨髄間質細胞由来ラット神経幹細胞をラット脳梗塞モデルに移植し神経細胞への分化と運動機能の改善を確認した。以上の効果は通常の骨髄間質細胞を移植した場合より顕著であった。 以上の結果を、現在投稿準備中である
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