6ヶ月間の大脳皮質運動野の慢性刺激では、6例中3例で上肢のFugl-Meyer scaleが5から8点増加し、運動機能の改善を認めた。また、この3例では一日の刺激時間は2時間から3時間半であった。一方、一日の刺激時間が9時間と8時間に及んだ2例では逆にFugl-Meyer scaleが著しく減少し、運動障害が増悪したが、Fugl-Meyer scale減少後の早い時期に刺激時間を強制的に制限することで、術前に近いレベルまで回復した。この一日の刺激が長時間に及んだ2例では、刺激による除痛が得られたものの、あまりafter effectが得られないため、長時間の刺激を避けられなかった症例であった。そこで、刺激装置をcontinuous modeからcycle modeに変更し、長時間の刺激を行わないようにしたところ、運動機能の回復を認めた。この2例から明らかなように、VASの減少率と運動機能の改善には明らかな相関は認めなかった。
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