研究課題
基盤研究(C)
1)血液脳関門を破綻させ頸動脈に動注するMn造影法(AIM-MRI)とMnの静注による全身投与によるMn造影法(MEMRI)を組み合わせることによって、海馬のCA層の神経細胞がAIM-MRI法のみに特異的に造影されることがわかった。2)MCAOモデルによる一過性脳虚血では、AIM-MRIを経時的に2週間後まで観察することから、虚血部位の周辺に長期にわたる造影が見られることを見いだした。この造影される組織はアポトーシスの状態を含んでいるものの、造影の本体はグリアの増生によるものである事を組織学的に確認した。3)心停止による短時間一過性脳虚血モデルを用いて、静脈投与でのMn造影法による海馬損傷と水迷路による行動解析を行い、損傷と回復過程の経過を観察した。急性期のCA1を中心とするアポトーシスの影響は組織標本では観察されたものの、Mn造影法では検出が困難であった。MRIの低い感度の問題を解消するために7T実験用MRIを用いて検討したが、CA1細胞層の損傷検出が極めて困難であった。さらには、これらの海馬損傷モデルでは水経路実験において、有意な差がみられず、従って機能回復の過程も観察することが出来なかった。虚血時間の長いモデルでの検討が必要と考えられた。4)脊髄損傷モデルでは椎弓切除を行い錘により作成したが、全身投与によるMn造影法で損傷された脊髄組織が造影されないことが確認された。5)ヒトの詳細な手指-手掌刺激のfMRIから、各指の皮質への投影は個々人で異なっていることを観察した。6)筋運動時拡散強調画像から、運動に伴う信号変化を確実に検出する事が可能となった。
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