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2006 年度 実績報告書

重症頭部外傷例に対する標的治療としての微低体温療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 18591617
研究種目

基盤研究(C)

研究機関久留米大学

研究代表者

重森 稔  久留米大学, 医学部, 教授 (00080804)

研究分担者 徳富 孝志  久留米大学, 医学部, 教授 (90197872)
宮城 知也  久留米大学, 医学部, 助教授 (40268909)
塩見 直人  久留米大学, 医学部, 講師 (70360279)
キーワード重症頭部外傷 / 低体温療法 / ICP
研究概要

平成18年度に本学高度救命救急センターに搬入された入院時GCS5以下の成人重症頭部外傷の5例(30-75歳)に軽度低体温療法を施行した。その際ICPのほかCPP、SjO2、PbtO2をモニターし本療法の有用性について検討した。35℃前後の全身冷却による低体温療法によりICPは低下したが、CPPやSjO2には変化はみられずPbtO2も正常値に近似する傾向を示した。しかし48-72時間後の復温時にはICPの上昇を2例に認め、復温の方法にさらに一考を要すると考えられた。つまり35℃前後の微低体温によりICPは有意に低下し、他のパラメーターにも大きな変動はなく、以前の研究成果の裏付けが可能であった。しかし入院時GCS3であった2例は死亡し、生存例の転帰はmoderate disability 1、severe disability2と必ずしも満足すべきものではなかった。一方同時期に正常体温に維持した5例の転帰は4例が死亡し1例のみ救命し得た。つまり少なくともGCS5以下の症例に対する微低体温療法は急性期の脳保護と転帰改善の上で有用である可能性が示された。また入院時にGCS6-8であった10例(40-70歳)には正常体温に維持する方針で管理を行ったがいずれも死亡例はなかった。今後小児例(15歳以下)および成人例でその重症度別(GCS及びJCS別)にさらに症例を増やし転帰を含めて詳しい分析を行う予定である。さらに日本神経外傷学会のデータバンクに蓄積されている我が国主要施設での低体温療法の結果とも照合対比を行う予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 重症頭部外傷治療・管理のガイドラインに関する調査-現ガイドラインに準拠した治療は頭部外傷患者の予後に影響を与えたか?-2007

    • 著者名/発表者名
      徳富孝志, 小川武希, 重森 稔
    • 雑誌名

      脳外誌(Jpn J neurosurg(Tokyo)) 16(1)

      ページ: 13-17

  • [雑誌論文] 重症頭部外傷例に対する初期診療が転帰に与える影響-特に脳神経外科医の役割について-2007

    • 著者名/発表者名
      塩見直人, 宮城知也, 刈茅 崇, 徳富孝志, 重森 稔
    • 雑誌名

      脳神経外科(Neurological Surgery(Tokyo)) 35(3)

      ページ: 251-257

  • [雑誌論文] 実験的頭部外傷後のラット海馬CA1ニューロンにおける過興奮に対する軽度低体温の効果2006

    • 著者名/発表者名
      大場さとみ, 山下 伸, 蓮尾 博, 徳富孝志, 赤須 崇, 重森 稔
    • 雑誌名

      神経外傷 29(1)

      ページ: 38-43

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 重症頭部外傷初期診療におけるドクターヘリの有用性2006

    • 著者名/発表者名
      塩見直人, 宮城知也, 香月裕志, 前田充秀, 重森 稔, 山下典雄, 坂本照夫
    • 雑誌名

      日救急医会誌 17(6)

      ページ: 219-226

  • [雑誌論文] 頭部外傷ガイドラインの検証2006

    • 著者名/発表者名
      小川武希, 徳富孝志
    • 雑誌名

      脳外誌(Jpn J neurosurg(Tokyo)) 15(7)

      ページ: 498-504

  • [雑誌論文] 重症頭部外傷に対する急性期治療の現状:頭部外傷データバンクの分析から2006

    • 著者名/発表者名
      小野純一, 小川武希, 坂本哲也, 川又達朗, 徳富孝志, 片山容一, 重森 稔, 山浦 晶, 中村紀夫
    • 雑誌名

      Neurosurg Emerg 11(2)

      ページ: 133-140

  • [雑誌論文] Final report of the Japan neurotrauma data band project 1998-2001 : 1002cases of traumatic brain injury2006

    • 著者名/発表者名
      中村紀夫, 山浦 晶, 重森 稔, 小川武希, 徳富孝志, 小野純一, 川又達朗, 坂本哲也
    • 雑誌名

      Neurol Med Chir(Tokyo) 46(12)

      ページ: 567-574

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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