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2006 年度 実績報告書

グリオーマによる免疫抑制機構-脳内ミクログリアとプロスタグランジンの役割-

研究課題

研究課題/領域番号 18591618
研究種目

基盤研究(C)

研究機関産業医科大学

研究代表者

山下 優毅  産業医科大学, 医学部, 教授 (00028680)

研究分担者 黒田 悦史  産業医科大学, 医学部, 助手 (10299604)
キーワードミクログリア / グリオーマ / プロスタグランジン / マウス
研究概要

一般に、担癌生体では免疫機能が低下し、それが免疫系細胞による癌細胞の排除が困難である一因になっている。われわれは、担癌生体における免疫抑制の機構を脳腫瘍(グリオーマ)を用いて、マウスで解析している。その際に、我々は、グリオーマとマクロファージを共培養すると、マクロファージから大量のプロスタグランジン(PG)E2が産生され、このPGE2が免疫抑制に働いていることを見出している。脳内に発生するグリオーマ対する免疫反応を調べるには、脳のマクロファージ系細胞であるミクログリアを実験に用いることがより重要であると考えられる。本研究ではマウスを用いてミクログリアとグリオーマの共培養によるPGE2産生の誘導について解析し、以下の結果を得た。
1)新生児マウスの脳内より、ミクログリアを単離し、増殖因子としてのインシュリンの存在下で2週間培養し、ディッシュ付着性のミクログリアを得た。
2)このミクログリアをLPSやCpG-ODNで刺激すると、TNF-α等のサイトカイン、PGE2を産生した。
3)ミクログリアにグリオーマ、または、グリオーマの培養上清を添加すると、PGE2産生が著明に亢進した。また、PGE2合成酵素であるCOX-2, mPGES-1の発現も亢進した。
4)ミクログリアにインドメサシン等を加えてPGE2合成を抑制したり、PGE2リセプターアンタゴニストを添加すると、TNF-α産生が回復した。
5)mPGES-1ノックアウトマウス由来のミクログリアでは、PGE2産生が見られなく、またTNF-α産生は抑制されなかった。
以上より、脳内ミクログリアがグリオーマ担癌生体においてPGE2を大量に産生し、免疫抑制に重要な役割を演じていることが明らかにされた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Induction of macrophagic prostaglandin E2 synthesis by glioma cells2006

    • 著者名/発表者名
      Yoshiteru Nakano
    • 雑誌名

      Journal of Neurosurgery 104

      ページ: 574-582

  • [雑誌論文] Strain Difference in murine macrophage functions : Prostaglandins as a marker2006

    • 著者名/発表者名
      Etsushi Kuroda
    • 雑誌名

      Low-Dose Radiation Exposure and Bio-Defense System

      ページ: 37-39

  • [雑誌論文] Cyclooxygenase system contribute to the maintenance of post convulsive period of epileptic phenomena in the genetically epileptic El mice2006

    • 著者名/発表者名
      Kazumasa Okada
    • 雑誌名

      Journal of UOEH 28

      ページ: 265-275

  • [雑誌論文] Ameliorative effect of pioglitazone on seizure responses in genetically epilepsy-susceptible El mice2006

    • 著者名/発表者名
      Kazumasa Okada
    • 雑誌名

      Brain Research 1102

      ページ: 175-178

  • [雑誌論文] 1-BP inhibits NF-kB activity and Bcl-xL expression in astrocytes in vitro and reduces Bcl-xL expression in the brains of rats in vivo2006

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Yoshida
    • 雑誌名

      Neuro Toxicology in press

  • [雑誌論文] マクロファージサブセットの機能発現と遺伝的背景2006

    • 著者名/発表者名
      黒田 悦史
    • 雑誌名

      臨床免疫・アレルギー科 46

      ページ: 33-38

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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