研究課題/領域番号 |
18591633
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
久保 忠彦 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70397959)
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研究分担者 |
越智 光夫 広島大学, 病院, 教授 (70177244)
安永 裕司 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 寄附講座教授 (40253075)
坂口 剛正 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (70196070)
下瀬 省二 広島大学, 病院, 講師 (30304439)
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キーワード | 癌 / ウイルス治療 / リポソーム |
研究概要 |
本年度はIsolated limb perfusion systemの作成とラット骨肉腫に対するvesicular stomatitis virus (VSV)の治療効果を検討した。【方法】イソフルレン全身麻酔下に腫瘍移植1週間後、手術用顕微鏡を使用し、患側大腿動静脈に24ゲージカテーテルを挿入し、人工心肺装置を接続、その中枢部で駆血を行い、患側下肢血流を体外循環させる。動脈へのポンプ流量は2ml/mimとし、静脈からのフローはポンプをラットより低い位置に置き、重力により行った。回路中のリザーバーにて1L/minの酸素化を行った。5単位/mlヘパリン生食にて5分回路を流した後、VSV1.3x10^7plaque-forming unitsをリザーバーより加え15分間循環させた。さらに1分間ヘパリン入り生食で洗い流した。対照群として生食投与群を作成した。経時的に腫瘍体積、ラット体重を計測した。【結果】Isolated limb perfusion systemによるVSV治療4週後の腫瘍体積はコントロール群に比べ、有意に治療効果を認めた(P<0.01)。また、体重減少などの副作用もみとめなかった。【考察】臨床応用に向けたoncolytic virotherapyの課題として、ウイルスデリバリー、感染効率、生体免疫反応、ウイルス毒性の問題がある。本研究により骨肉腫細胞に対するVSVの選択的ウイルス増幅、殺腫瘍効果が証明され、Isolated limb perfusion systemによるウイルスデリバリーシステムも構築された。Regional therapyが適しているウイルス治療において四肢悪性腫瘍は理想的な標的病変であり、VSVは四肢腫瘍治療の新たなるストラテジーとなる可能性が示唆された。
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