研究課題
基盤研究(C)
変形性関節症軟骨における網羅的発現遺伝子解析を行った。その結果、初期に発現亢進し、末期に発現減弱する遺伝子としてGADD45beta(Growth arrest and DNA damage inducible protein 45 beta)に注目した。この分子は細胞障害性ストレスに反応して発現亢進する比較的低分子量の蛋白で、Apoptosisや細胞周期に関与することが知られていた。また、先行研究で、軟骨細胞においてBMP-2によりこの分子が初期反応性遺伝子として、発現元進すること、AP-1活性を有し、TypeX collagen,MMP-13などの遺伝子発現を調節することが判明していたので、これらの事実から、変形性関節症における肥大軟骨の形成にかかわるのではないかと仮説を立て、実験を進めた.その結果、軟骨細胞でtypeII遺伝子発現を負に調節すること、Anti-apoptosisに働くことを見出した。これらの事実は、GADD45betaが異常なストレス下で軟骨細胞の表現系をdedifferentiated typeへ変化させる機構にかかわっていることを示唆している。変形性関節症の病態の詳細は未だ不明な点が多いが、本研究により、その進行とともに見られる軟骨細胞の変性にGADD45betaがかかわることが示されたことは将来の標的分子解明への糸口となり、重要な意義ある研究結果が得られた。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件)
Arthritis Rheumatism 58
ページ: 2075-2087
J Cell Physiol 215
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