研究概要 |
1)6軸力センサの変更とOS,制御アルゴリズム等の最適化 担荷能力の高い6軸力センサ(申請)を購入し,現有のセンサと入れ替えた.これに伴い,クランプの設計および制御ソフトの改良を行った.制御システムを構築においてリアルタイムリナックスを用いる予定であったが,検討の結果,LabViewを採用し,軸のトルク制御を数msec以下で繰り返す,クローズド制御ループを持った制御・計測システムを構築した.ハイブリッド制御の構築に関しては,本研究代表者が開発した数学的な記述(J Biomech,1996)をベースに行った. 2)靭帯張力作用位置解析システムの開発 膝靭帯の大腿骨付着部にはたらく張力の大きさ,方向,作用位置を解析するためのハードウエアおよびソフトウエアを作成した.研究代表者が開発した6軸力センサの出力を座標変換して張力の作用線を求め,付着部形状との交点として求める方法(J BiomechEng,1995)を用いた. 3)システム評価 ハードウエアおよびソフトウエアが完成した後,動物膝を用いて,制御システムの基本性能を調べた.その際,膝の各自由度ごとに力制御および位置制御が可能であることを確認し,その後,全自由度を力制御あるいは位置制御下において,多自由度制御を行った. 4)健常膝関節の実験 開発したロボットシステムを用いてブタ正常膝関節の力学試験を行い,前十字靭帯線維束を順次切断して健常膝の運動をあたえ,線維束の力学的機能について解析した.関節剛性への寄与度,各線維束の張力変化,および各線維束張力の大腿骨付着部における作用位置を1)および2で開発した方法により求めた.
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