研究課題/領域番号 |
18591655
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三浦 俊樹 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (20376479)
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研究分担者 |
中山 修一 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80401066)
原 慶宏 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00422296)
三浦 俊樹 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20376479)
緒方 直史 東京大学, 医学部附属病院, 客員教員 (10361495)
河野 博隆 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20345218)
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キーワード | 変形性関節症 / 軟骨肥大分化 / 古典的Wntシグナル / TCF / LEF-1 |
研究概要 |
In vitro解析によって、軟骨分化・肥大化における古典的Wntシグナルの役割が解明されたことを踏まえて、Wntシグナルと加齢変性による軟骨の肥大化がその誘因である変形性関節症との関連を解析した。我々が確立した変形性関節症モデルマウスを用いて、組織切片上で、変形性関節症を呈する永久軟骨の破壊部位に合致して古典的Wntシグナルの活性化があるかどうかを、βカテニン抗体を用いた免疫組織化学およびdigoxigenin標識TCF/LEF-1・βカテニンcRNAプローブによるin situ hybridization法で確認したところ、コントロール群に比べて、変形性関節症の発症している部位に一致して、TCF/LEF-1の発現増加が見られた。また、変形性関節症を誘発すると脛骨内側縁に骨棘の形成が観察されるが、その骨棘の形成に合致して、TCF/LEF-1の発現増加が見られた。組織学的評価としてMankinスコアを改変した関節軟骨破壊と骨棘形成の段階を点数化した申請者独自の評価スケールを用いて行った結果、変形性関節症が発症し、そのグレードに応じて古典的Wntシグナルの亢進がみられた。これは我々のグループが発表したRunx2と変形性関節症との関連と類似する結果であり、In vivoにおいても古典的Wntシグナルと変形性関節症との関連が示唆された。現在、確認された古典的Wntシグナルと変形性関節症との関連をさらに解析するために変形性関節症モデルマウスの膝関節に、古典的Wntシグナルの転写因子であるTCF/LEF-1構成的活性型変異体・抑制型変異体のアデノウイルスを投与し、病態変化を経時的に観察している。
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