研究概要 |
1骨壊死動物モデルを用いたステロイド性骨壊死の病態に関する研究 【目的】ステロイド性家兎骨壊死モデルの性差に関して、NOに着目して検討を行った。 【対象および方法】成熟日本白色雄家兎10羽(雄群)、雌家兎8羽(雌群)を対象とし、両群に、MPSL20mg/kgをそれぞれ一回のみ右臀筋内に注射した。MPSL筋注後2週で、両大腿骨・上腕骨における骨壊死発生を病理学的に検討した。血液生化学的検査項目は、硝酸/亜硝酸イオン値を、脂質系では総コレステロール・HDLコレステロール・中性脂肪、凝固系として血小板を、MPSL投与時・投与後1週・投与後2週(犠牲死時)に測定した。 【結果】骨壊死発生率は、雄群は70%(7/10羽)、雌群は13%(1/8羽)と有意に低かった(P<0.05)。血中硝酸イオン/亜硝酸イオン値は、雄群は雌群に比し有意に低下していた(P<0.05)。脂質・凝固系では、総コレステロール値が雌群で有意な上昇を認めた(P<0.05)。 【考察】今回の実験における雄雌間の骨壊死発生率とNO値の経時的変化の結果より、雄に比し雌の方が酸化ストレスに対して強い、という可能性も考えられることが示唆された。 2大腿骨頭壊死症と鑑別を要する疾患の大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折の発生頻度に関する研究 【目的】骨粗鬆症に伴って発生する骨折として、近年、大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折(以下SIF)が提唱されているが、その発生頻度は不明である。病理組織学的にその頻度、特徴について検討した。 【方法】変形性股関節症(以下OA)または大腿骨頭壊死症(以下ON)の診断にて人工股関節置換術を行なわれた7,718骨頭(7,286症例)(OA:7,349骨頭、ON:369骨頭)を再検討した。 【結果】SIFは7,718例中501例(6.5%))に認められ、疾患別ではOA6.3%、ON11.1%にSIFが認められた。
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