研究課題/領域番号 |
18591672
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
北野 利夫 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 客員准教授 (50291597)
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研究分担者 |
寺井 秀富 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20382046)
野村 千澄 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (10382227)
橋本 裕介 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (10382178)
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キーワード | ドラッグデリバリーシステム / リポソーム化 / in-vivo実験 / ヒアルロン酸ナトリウム / 変形性関節症 / 治療薬 |
研究概要 |
目的:Lα-DPPCによりリポソーム化したヒアルロン酸が低関節摩擦性を持つことはすでに実証している。本研究は、新開発の本薬剤in-Vivo実験である。 実験:COATSOME EL 01-C(日本油脂)とヒアルロン酸ナトリウム(生化学工業、HA)を用いて、リポソーム化HAを作成し、雄性ウサギ膝関節にディスポーザブル注射筒及び注射針を用いてリボソーム化HA(左)又はHA(右)を関節内投与した。リポソーム化HA注入群およびHA注入群の投与後1、7及び14日目に,膝関節液、膝関節滑膜組織を採取した。採取した関節液,滑膜組織の一部、関節軟骨を薬剤濃度測定用に保存し現在関節液内および組織内のヒアルロン酸濃度を測定中である。滑膜組織及び大腿骨・め脛骨の関節軟骨は10%NBFに固定し、組織標本作制中である。 これまでに得られた結果:実験開始時じから試験終了時までのA)リポソーム化HA注入群、および、 B)HA注入群のウサギの体重の変動は±0.1kg以内であり、投薬による摂食、体重等への影響は認めなかった。現在、既述した採取関節液・滑膜組織内のヒアルロン酸濃度の測定および滑膜組織及び大腿骨・脛骨の関節軟骨の病理標本を作成中であり、これらの資料の解析を待ち、欠損部の修復効果の組織的評価を行う予定である。 本研究の意義:本試験に用いたLα-DPPCによりリポソーム化されたヒアルロン酸は変形性関節症に対する治療薬として、薬学、生体力学、生体分子工学的に優れた理論的根拠により設計されており、臨床効果が認められれば、画期的な治療薬となりうる関節内投与型の薬剤である。
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