研究概要 |
骨代謝制御ホルモンであるカルシトニン(CT)は骨の標的臓器である破骨細胞では脱感作を誘導し、ホルモン作用の持続は阻害される。我々の検討ではその機序としてCT受容体(CTR)mRNA安定性調節機構の関与が推測されている。mRNA半減期は3'非翻訳領域(UTR)のAU rich element (ARE)配列がcis elementとして働き、c-fosやGM-CSF、IL-3でその役割が証明されている。我々はCTR mRNAの3'UTRに複数の蛋白(transactivating factor)が結合することを報告している。それらの分子量は35-50kDaでありARE結合蛋白の中でAUF1,HuRを考え検討し、またその特異的結合性を確認している。最近ELAV(embryonic lethal abnormal vision)famiyがmRNA安定性に関与する成績が示されている。そのような新たな蛋白群がCTR mRNA 3'UTRに結合性を示し、脱感作に関与するか否かさらに検討を進めている。
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