研究課題/領域番号 |
18591684
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
吉田 仁 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (00374843)
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研究分担者 |
櫛方 哲也 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (80250603)
廣田 和美 弘前大学, 医学部, 教授 (20238413)
工藤 美穂子 弘前大学, 医学部, 助手 (30003411)
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キーワード | 脳・神経 / 全身麻酔 / 睡眠 / 脳波 / 内因性睡眠物質 |
研究概要 |
サイトカインを代表とする睡眠関連物質と全身麻酔との関連を検討した。ラットを対象に全身麻酔後の睡眠障害を検討した結果によると、ケタミン麻酔当日にはノンレム睡眠が増加し、その後最低4日間コントロールと比較し低下した。レム睡眠は反対に増加した。これに対し、ペントバルビタール麻酔では、当日ノンレム睡眠が増加したが、その後は低下することなくコントロール値に帰した。レム睡眠はケタミン同様に徐々に増加した。これらから、全身麻酔が脳内睡眠関連物質の変化と関連している可能性が示唆された。以上のことから、平成18年度は全身麻酔薬投与による脳内サイトカイン量の変動について検討した。 体重350-400gの雄性SD系ラットを12時間の明暗周期(明期0800-2000)で飼育し実験に使用した。明期にケタミン100mg/kgを腹腔内投与した。断頭後に脳を取り出し、BIO-RAD社製のBio-Plexサスペンションアレイシステムによりそれぞれの部位のサイトカイン量を定量した。測定部位は、橋・視床下部・海馬・大脳皮質。測定ポイントは、ケタミン投与後1時間および6時間。またコントロールとして無麻酔下に断頭・試料採取・測定を行った。橋および視床下部に含まれるIL1β量が、コントロールに比べてケタミン投与1時間後および6時間後に多い可能性が示唆された。また、その他のサイトカイン(IL1α、IL2、IL4、IL6、IL10、GM-CSF、IFN-γ、TNFα)量への明確な影響は不明だった。測定検体数を増やすとともに、他の麻酔薬による影響も含めて、平成19年度も引き続き検討したい。 麻酔薬の脳波に与える影響については、実験設備の調整と脳波の信頼性を確認した。上記のin vitroの研究と合わせて、平成19年度に検討したい。
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