研究概要 |
平成20年度では、敗血症性脳障害を消化管穿孔モデルで作成したラットの脳スライスに対してImmunohistochemistry法においてHMGB-1により脳内Rho kinaseやMAP kinaseは増加を確認した。HMGB-1が多く発現する部位を取り出し、0.32M sucroseを10倍量加えた後、Polytron PT-10型ホモジナイザー及びPotter型ホモジナイザーを利用して、脳組織をホモジネートを行った。ホモジネートした組織はBeckman遠心器を利用して100、000 x g.60分でP2分画に精製分離し、Bradford法でタンパク定量し、その精製したP2文画を利用してSDS-PAGEとImmunobotting法(Western Blot法)を用いてMAP kinaseの定量を行う。20μgに分割したP2分画を電気泳動(Boi-Rad社製Immune Blot Kit)に流してMAP kinaseを分離し、それをNitrocellulose膜に転写。200倍に希釈した1次抗体である抗MAP kinase抗体,Rho kinase(Sigma社製品)を投与し、Avidin-Biotin Complex(ABC kit:アマシャム社製)を投与し発色させた。発色した部位をDeusitometryで解析した。HMGB-1は海馬のCA1とCA5の虚血に脆弱な部位に多く発現しており、脳障害の原因の重要な所見であることを確認レた。この海馬障害が敗血症性脳障害の重要な意義を持つと思われる。
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