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2006 年度 実績報告書

虚血後の脳血管のセボフルラン、プロポフォールに対する反応とそのメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 18591696
研究種目

基盤研究(C)

研究機関山梨大学

研究代表者

石山 忠彦  山梨大学, 医学部附属病院, 助教授 (90293448)

研究分担者 渋谷 和広  山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助手 (30402027)
キーワード脳虚血 / 再灌流 / セボフルラン / プロポフォール / イントラリピッド / クラニアルウインドウ
研究概要

ウサギで脳虚血(15分間)・再灌流モデルを作成し、虚血・再灌流の前後で脳血管径の変化を、セボフルランまたはプロポフォール麻酔下で虚血後2時間観察した。またプロポフォールの溶媒であるイントラリピッドの作用もセボフルラン麻酔下で検討した。脳血管は、クラニアルウインドウを頭頂部に作成して、顕微鏡から得られた画像をパソコンに取り込み、血管径の測定器で計測した。脳虚血は右腕頭動脈、左総頸動脈、左鎖骨下動脈の遮断により完全血流遮断状態になることを、レーザードップラー血流計で確かめた。セボフルラン麻酔での脳虚血・再灌流後、脳血管は一過性の拡張を示した後、収縮した。プロポフォール麻酔では、脳虚血作成時の右腕頭動脈、左総頸動脈、左鎖骨下動脈の遮断により血圧が上昇したことからか、肺水腫を来たし研究の続行が不可能となる例が認められた。また、再灌流がうまくされずに、脳血管が黒く変色してしまい研究の続行が不可能となる例も認められた。脳虚血・再灌流後2時間観察ができた例で脳血管は、セボフルラン麻酔と同様に一過性の拡張を示した後収縮した。一過性血管拡張はセボフルラン麻酔よりプロポフォール麻酔で弱い傾向があった。イントラリッピド注入でのセボフルラン麻酔では、虚血・再灌流後、脳腫脹を来す例が認められたが、研究の続行が不可能となる例はなかった。虚血・再灌流後脳血管は、一過性の拡張を示した後収縮した。これらの結果から、プロポフォールには脳保護作用があるといわれているが、本研究では脳虚血・再灌流での麻酔薬として優れているとは認められなかった。脳虚血が考えられる手術の麻酔においては、セボフルランが適していると考えられる。
これらの実績は、2007年4月の第11回日本神経麻酔・集中治療研究会、2007年6月の日本麻酔科学会第54回学術集会で発表予定である。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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