研究課題/領域番号 |
18591701
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
内山 昭則 大阪大学, 医学部附属病院, 助手 (00324856)
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研究分担者 |
藤野 裕士 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50252672)
平尾 収 大阪大学, 医学部附属病院, 助手 (10362617)
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キーワード | 人工呼吸 / 横隔膜障害 / 横隔膜筋力 / 最大吸気圧 / 横隔膜電気刺激 |
研究概要 |
本年度は人工呼吸による横隔膜障害における人工呼吸条件の影響についてラットを使用して検討した。 ペントバルビタール麻酔下、気管切開ラットにおいて12時間の人工呼吸を行い、人工呼吸の吸気圧の条件が横隔膜筋力にどのように影響するかをしらべた。 (対象と方法) 18匹のラットを用い、比較は以下の3群間で行った。(1)対象群、気管切開のみ、12時間自発呼吸で人工呼吸は行わない群、(2)通常呼吸条件群、調節呼吸モードにて80回/分、最大吸気圧8cmH2O、吸気時間0.3秒、PEEP1cmH2O、(3)高吸気圧条件群、調節呼吸モードにて80回/分、最大吸気圧18cmH2O、吸気時間0.3秒、PEEP1cmH2O、高吸気圧条件における、動脈血炭酸ガス分圧の正常域へのコントロールは死腔を呼吸器回路に装着することによって行った。横隔膜障害の程度の評価は12時間のプロトコール終了後に横隔膜を取り出し、in vitroチャンバー内で電気刺激を行い、筋力を測定する方法にて評価した。 (結果) テタヌス刺激時の筋力(Mean±SD)は(1)対象群は19.5±1.4g/mm^2、(2)通常呼吸条件群は16.3±2.4g/mm^2、および(3)高吸気圧条件群は14.7±2.3g/mm^2であった。通常呼吸条件群と高吸気圧条件群との間に有意差はみられなかったが、吸気圧条件が高いほど人工呼吸による横隔膜障害が強くなる可能性が示唆された。 (考察) 人工呼吸器からの離脱の困難の原因となる人工呼吸による呼吸筋障害は近年その存在が注目されてきている。しかしながらどのような人工呼吸をおこなえば障害がすくなくなるかについての知見は非常に少ない。今回の結果は障害を小さくするためには一回換気量や最大吸気圧を制限する人工呼吸をおこなうことが有効である可能性を示唆するのではないかと考えられる。
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