研究概要 |
動物実験に先立って異常体温の影響を炎症反応に誘導されるマーカーへの影響を調べるために、中等度の体温変化のサイトカインと炎症性メディエイターに与える影響を培養細胞を用いた実験系で前実験として調べた。リポポリサッカライド(LPS)で刺激したmurine macrophagic RAW264.7細胞ラインで高体温40℃、正常体温37℃、低体温34℃の影響を検討した。 測定したパラメーターは細胞中の熱ショック蛋白HSP70, heat shock factor protein(HSF)とnuclear factor-kB(NF-kB)ダイマー(p50 and p65)と培養上清中のhigh mobility group box 1(HMGB1)とcytokines tumor necrosis factor-α(TNF-α),インターロイキン1-β(IL-1βとインターロイキン6(IL-6)であった。 37℃に比較し、40℃、34℃の異常体温でLPS刺激後のNF-kB dimers(p50 and p65)と同様、HMGB1, IL-1β,IL-6,とTNF-α,低レベルでHSP70とHSFが40℃と34度で高レベルであった。 これにより侵襲刺激を受けたとき中等度異常体温は炎症反応をもジュレートし、細胞のダメージを抑制する可能性が示された。この結果から中等度低体温や高体温の異常体温が生体防御機能を有し、従来調べてきた人工呼吸器誘導肺障害の成因と治療法を細胞レベルで確認できたため、Vivoのモデルに応用できる。
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