平成19年度は、Lipopolysaccharideにより誘導されたラット敗血症モデルを用い、敗血症早期より脳下垂体ホルモンであるoxytocinを投与することで、敗血症心筋の心機能を改善するかをコンダクタンスカテーテルで評価した方法:ラット(Wister系ラット雄330〜360g)を、pentobarbital麻酔下に内頚動静脈にカニュレーションを行い、続いて、気管切開し、人工呼吸管理を行なった。次に、内頸静脈カテーテルより生理的食塩水を10ml/kg/hrで投与を開始した。その後、lipopolysaccharide(LPS)10mg/kgを静注した。LPS投与後、oxytocin投与群、生食投与群の2群に無作為に分け、oxytocin投与群には、oxytocin151U/kgを緩徐に投与し、その後は51U/kg/hrで持続的に投与した。生食投与群には同量の生食を内頸静脈カテーテルから投与した。その後、内頚動脈カテーテルより、圧センサー付コンダクタンスカテーテルを挿入した。心機能の測定は、LPS投与前から開始し、1時間ごとに行なった。結果:oxytocin投与群は、生食群に比較し、約20%高い心拍出量を保った。また、心収縮力の指標であるEmaxはoxytocin投与群では良く保持された。 結語:ラット敗血症モデルにおいて、oxytocinの投与は心機能を維持する可能性が示唆された。
|