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2006 年度 実績報告書

脳内神経ネットワーク見たモルヒネと吸入麻酔薬の作用機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18591722
研究種目

基盤研究(C)

研究機関順天堂大学

研究代表者

赤澤 年正  順天堂大学, 医学部, 助手 (60306941)

キーワード吸入麻酔薬 / 発火パターン / GABA受容体 / bicuculline
研究概要

吸入麻酔薬は,日常の麻酔臨床において臨床応用されているものの,その作用機序は未だ解明されていない.今回我々はPatch-clamp法を用いた神経細胞の静止膜電位変化およびそれぞれの神経細胞のもつ発火パンターンの変化様式により吸入麻酔薬が脳内神経伝達経路にあたえる影響を検討した.方法として,マウスに対して脳スライス標本を作成し,人工脳脊髄液(細胞外液)を還流しながら顕微鏡下に線条体の投射ニューロンであるMS (medium spiny)ニューロンに対してwhole-cell patch clampを行った.その後current clampモードによりその静止膜電位(RP)およびMSニューロンの発火を観察した。10〜15分間incubateしたのち人工脳脊髄液(細胞外液)に吸入麻酔薬(セボルフランおよびイソフルラン:2MAC)の添付を行い,経時的に発火パターンの変化を観察した.その結果,吸入麻酔薬(セボフルランおよびイソフルラン:2MAC)の添加15分後より発火パターンに変化が観察された.すなわち等間隔に発火していた様相に対して,吸入麻酔薬添付により変化が生じ,等間隔が損なわれ,バラバラに発火した.さらにGABA受容体の拮抗薬bicuculline(BMI):30μMの処理によってもこの『乱れ』は生じた.その後,吸入麻酔薬の添付を止めると,やはり15〜20分後には『乱れ』は消失し,吸入麻酔薬のもつ可逆性が示された.また、海馬のCA1細胞に対しても同様の実験を行い、可逆性のある発火乱れを認めた。
このように吸入麻酔薬負荷によりMSニューロンに変化を与え,吸入麻酔薬の可逆性を呈することから,吸入麻酔薬の脳内神経伝達の影響が示唆された.加えて,BMI処理により変化ないことからGABA容体を介さない伝達経路に影響することも示唆された.

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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