研究課題/領域番号 |
18591724
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
内野 博之 東京医科大学, 医学部, 講師 (60266476)
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研究分担者 |
芝崎 太 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (90300954)
岩本 隆宏 福岡大学, 医学部, 講師 (20300973)
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キーワード | 脳虚血 / NA+ / Ca2+交換系 / ミトコンドリア / RCR / 海馬スライス / CRC |
研究概要 |
1脳虚血時のNa+/Ca2+交換系と虚血性神経細胞死との連関解析 C57B6マウス(体重25-30g)をWild type群とグリアNCX2knockoutマウス群に分けて両側総頚動脈結紮による12分間の前脳虚血モデルを作製した。海馬CA1における遅発性神経細胞死は、wild type群とNCX群のマウス間で有意な差を認めなかった 2低酸素下でのアストロサイトNa+/Ca2+交換系(NCX2)knockoutマウス海馬スライス切片におけるグリア内とミトコンドリア内Ca2+濃度の蛍光色素法による測定 海馬スライスを用いた細胞内Ca2+流入におけるアストロサイトNa+/Ca2+交換系(NCX)とカルシニューリン/イムノフィリン情報伝達系の関係を解析した結果、NCX群の海馬スライスのグリア内Ca2膿度(0.76±0.15)はwild群(0.36±0.18)に比べて虚血前有意に高い値を示した(p<0.05)。虚血時にはwild群およびNCX群は虚血前よりも有意に高いグリア内Ca2+濃度を示した(P<0.05)。また、CsAは両群でのグリア内およびミトコンドリア内Ca2+濃度を有意に低下させた(p<0.05) 3.NCXKOマウスミトコンドリアにおける呼吸能(Respiratory Control Ratio:RCR)の比較ミトコンドリアの呼吸能は、sate2とstate4は両群で有意な差を認めなかったが、state3でNCX群がwild群に比べて有意に高い酸素消費量を示した(p<0.05)。以上より、NCXKOマウスにおいてwildマウスとの虚血による病理学的な差やCa2+動態の相違は見出せず、他の機序によるCa2+の恒常性の維持が図られている可能性が示唆された。また、NCXKOマウスのstate3高値の理由は不明であるが、Ca2+排出に時間を要するためATP産生による02消費が増加すると考えられた。
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