研究課題/領域番号 |
18591734
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
瀬川 賀世子 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (70289578)
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研究分担者 |
南 浩一郎 自治医科大学, 医学部, 講師 (70279347)
上園 保仁 国立がんセンター研究所, がん患者病態生理研究部, 部長 (20213340)
横山 徹 産業医科大学, 医学部, 助教 (80425321)
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キーワード | 疼痛メカニズム / 麻酔薬 / 鎮痛薬 / Gi蛋白結合受容体 / Xenopus oocytes発現系 / μオピオイド受容体 / G蛋白共役型受容体 / イオンチャネル |
研究概要 |
モルヒネやフェンタネストなどのオピオイドは吸入麻酔薬のMACに影響することが知られているが、その相互作用にどのようなメカニズムがあるのかは不明である。最近、麻酔薬がムスカリンtype2受容体(M2)を始めとしたGi蛋白結合受容体も多く存在し、これらの受容体にも麻酔薬が関与しているという報告がなされてきた。オピオイド受容体も脊髄、中枢神経に分布しているGi蛋白結合受容体で麻酔薬の作用に関与しているという報告がなされているが、オピオイド受容体への麻酔薬の作用について詳しい検討は全くなされていない。今回の研究においては、麻酔薬の直接的なオピオイド受容体への影響を明らかにするため、(1)Gq/GiキメラG蛋白とμオピオイド受容体を分子生物学的に結合させたμオピオイド受容体(Gq/GiキメラG蛋白結合μオピオイド受容体)をアフリカツメガエル卵母細胞発現系に発現させ、μオピオイド受容体に対する麻酔薬(ハロセン、イソフルラン、セボフルラン、エンフルラン、ケタミン、プロポフォール、トラマドール、デクサメヂトミジン)の作用を電気生理学的に解析し、現在までの検討で、これらのGq/GiキメラG蛋白結合μオピオイド受容体の高率の発現を示し、麻酔薬ハロセンなどはμオピオイド受容体に影響することを明らかにした。(2)現在までハロセンは多くのG蛋白結合受容体をリン酸化酵素プロテインキナーゼC(PKC)によって抑制することが報告されているため、μオピオイド受容体の機能にも燐酸化酵素によって影響があるかどうか検討している。これらの結果をもとにμオピオイド受容体への麻酔薬の作用の全貌を明らかにしたいと考えている。
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