研究概要 |
膀胱尿路上皮下知覚閾値(CPT)の測定:間質性膀胱炎((IC)群と対照群との比較 前年度に引き続いて継続検討したところ.IC患者は膀胱粘膜知覚過敏があり,レジニフェラトキシン膀胱内注入療法は膀胱の知覚過敏を改善させる効果があることが示唆された レジニフェラトキシン(RTX)膀胱内注入療法の臨床的検討: 前年度に引き続いて継続施行予定であったが,追加症例が得られなかった.これまでの検討では,難治性の排尿筋過活動(DO)患者6例(特発性,神経因性各3例)及び間質性膀胱炎(IC)患者6例,計12名を対象として,RTX膀胱内注入療法を施行し,DO患者群では評価不能例1例を除く5名中4例において,治療後1週以内に効果が発現し,その効果は3〜9か月間持続した.IC患者群では6名中5名に治療後1週以内に症状が改善したが,その効果の持続は1〜2か月間であった.治療中・治療後,特に有害事象を認めなかった.本注入療法は,難治性の排尿筋過活動や間質性膀胱炎に対する新しい治療法として期待しうるものと考えられた. ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法の臨床的検討: 倫理委員会の承認を得て臨床研究体制を整えたが,参加希望患者が得られず,今後継続検討予定である. ヒト羊膜由来間葉系幹細胞移植による膀胱再生の試み: ヒト羊膜から間葉系幹細胞を分離培養し,ラット膀胱の健常部と凍結障害部に移植したところ,凍結障害部においてのみ,移植細胞が生着し得ることを確認した.同様の実験をマウスで行うべく,現在,凍結障害部の障害の程度および再現性を組織学的および機能的に検討中である.今後,ヒト羊膜由来間葉系幹細胞移植によって,その障害を改善させる効果があるのかを検討する予定である.
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