研究課題
基盤研究(C)
急性尿細管壊死のモデルとして下記薬剤の腎虚血再還流障害を用いて尿細管周囲血流を介した腎保護作用と機序を明らかにした。(1 播種性血管内凝固症候群に対する治研中のThrombomodulin(TM)12週齢のSDラットに右腎摘出を行い、1週間後に左腎動脈より腎臓内にHRS-TM 0.25mg/kg、同量の生食を充填したのち腎動静脈を45分間クランプした。また、培養ラット尿細管上皮細胞へH_2O_2 200Mを6時間負荷し、HRS-TM10μg/mlを同時に添加した群と添加しなかった群でTUNEL陽性細胞数を比較検討した。HRS-TM投与群では生食投与群に比べ有意に再還流24時間後の腎尿細管周囲毛細血管の血流の改善および腎機能障害の軽減が認められた。腎組織のED-1染色では、HRS-TM投与群では生食投与群に比べ有意にED-1陽性細胞数の減少が認められ、マクロファージの浸潤が抑制されていた。また、腎組織のTUNEL染色では、HRS-TM投与群ではコントロール群に比べ有意にTUNEL陽性細胞数の減少を認めた。培養ラット尿細管上皮細胞においても同様結果であった。(2)心臓疾患に保険適応があり臨床薬剤としての塩酸olprinone(OL)12週齢のSDラットに右腎摘出を行った後、皮下に浸透圧ポンプを埋め込み、OLを0.2μg/kg/minで持続投与した。コントロールとして同量の生理食塩水を同じポンプを用いて皮下投与した。ポンプ埋め込み後30分後に左腎動静脈を45分間クランプし、再還流後24時間後に生体顕微鏡にて腎尿細管周囲毛細血管の血流を測定した。OL投与群ではコントロール群に比べ有意に再還流24時間後の腎機能障害の軽減、および腎尿細管周囲毛細血管の血流の改善が認められた。再還流24時間後の腎組織の検討では、OL投与群ではコントロール群に比べ有意にATN scoreの改善を認めた。
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