研究課題
基盤研究(C)
TGFα発現レトロウィルスベクター導入ラット前立腺基底上皮細胞由来培養細胞株NRP152の生化学的特性の解析ラット前立腺の基底上皮細胞由来培養細胞株NRP152へTGFα発現レトロウィルスベクターLZRSを導入し、TGFα過発現NRP152細胞を作製した。本年度は、in vitroおよびin vivoにおける生化学的特性を評価した。まず、RTPCRにより、NRP152細胞におけるTGFαの過発現を確認した。TGFαの受容体であるEGFRの発現量は、TGFαの過発現による影響を受けなかった。次に、ウェスタンブロッティング法にて、TGFα過発現NRP152細胞におけるアンドロゲン受容体およびERK1/2の有意な発現減少を確認した。一方、基底上皮細胞のマーカーであるサイトケラチン14(CK14)の発現に差は認められなかった。細胞形態の観察において、TGFαの過発現で細胞間接着が高まる傾向が認められたものの、継代を重ねる毎に対照群と何ら変わりなく、さらに細胞増殖の速度にも違いを認めなかった。次に、免疫不全ヌードマウスの腎被膜下へ移植したTGFα過発現NRP152細胞ではCK14発現が確認された。TGFαを過発現していない対照細胞ではCK14発現が消失したため、TGFαの過発現が、細胞内シグナルを変化させ、NRP152細胞が有する基底上皮細胞の特徴を維持する可能性が示唆された。
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