研究課題/領域番号 |
18591764
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
矢尾 正祐 横浜市立大学, 医学研究科, 準教授 (00260787)
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研究分担者 |
中井川 昇 横浜市立大学, 附属病院, 準教授 (00237207)
長嶋 洋治 横浜市立大学, 医学研究科, 準教授 (10217995)
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キーワード | 腎細胞癌 / 淡明細胞型 / 遺伝子発現 / 予後 / 転移 / 診断 |
研究概要 |
腎細胞癌のうちもっとも頻度の高い淡明細胞型を対象に、転移や癌死予後と強く関連する、あるいはこれを予測しうるような候補遺伝子群をまずマイクロアレイ・データより粗抽出し、引き続きこれらの候補遺伝子群について、臨床経過の明らかな多数例の腎癌検体で定量的real-time PCR法により遺伝子産物の発現量、発現部位の確認を行い、さらに臨床病態や予後、VHL遺伝子変異の有無との関係について解析を加えた。また特異的発現遺伝子型を用いた診断応用の可能性についても検討した。まずADFPおよびVCAM1遺伝子について400例以上の淡明細胞腎癌で発現量/臨床病態の関係について詳細な検討を行い、ADFPは癌死予後、一方VCAM1は根治術後の再発予後の判定・予測に非常に有用であることを明らかにした。さらに本邦の腎癌100例でのBHD遺伝子の変異解析とBHD変異腎癌の遺伝子発現型、遺伝子署名ついてネフロン特異的に発現している遺伝子群を用いることで解析し、この腫瘍が現行の腎腫瘍分類にはない新たな範疇に入る可能性を示した。 引き続き、疎抽出した遺伝子のうち予後良好/不良群を鑑別するランキングの上位に位置する遺伝子を、定量的real-time PCR法で約180例の腎癌で発現解析を行い、予後との関係について統計解析、確認を進めている。これまでに約15遺伝子の発現解析を行い、これらからさらに予後を予測しうる上位の遺伝子を選別し、それらを組み合わせ遺伝子発現情報による予後判定モデルを作成予定である。
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