研究分担者 |
内藤 泰行 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (50405312)
中村 晃和 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (10381964)
水谷 陽一 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (10243031)
河内 明宏 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (90240952)
三木 恒治 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10243239)
|
研究概要 |
私達はヒト陰茎海綿体平滑筋細胞を用いて、高血糖状態での平滑筋細胞の障害の程度とinsulin-like growth factor-1(IGF-1)の細胞増殖能を検討した。 【対象と方法】今回用いた細胞は、大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(泌尿器科学)のグループが独自に分離培養したヒト陰茎海綿体平滑筋細胞(OCSMC-1)である。方法はOCSMC-1を正(5.6mM)または高(25mM)血糖下で、それぞれにIGF-1を0,0.1,1,10ug/mlを加えた後、1,3,6,12日間培養を行った。細胞障害性はMTT Assayにて評価した。 【結果】OCSMC-1の障害は、1日間の培養では正常血糖状態と高血糖状態に差を認めなかった。しかし、3,6,12日間の培養では高血糖状態において明らかにOCSMC-1の増殖は抑制されていた。また、正常血糖状態においてはIGF-1を加えることによりOCSMC-1の増殖能の亢進が認められ、その効果は1,3,6,12日間の培養期間中持続したが、期間が延びるほど細胞増殖効果は低下する傾向を示した。高血糖状態におけるIGF-1の細胞増殖効果も同様に、1,3,6,12日間の培養期間中OCSMC-1の増殖能の亢進が認められた。しかし最大投与量である10ug/mlを加えた群は0.1および1ug/mlを加えた群よりも効果が低下していた。 【結論】ヒト陰茎海綿体平滑筋細胞(OCSMC-1)は高血糖刺激により細胞傷害活性が亢進し、増殖能が抑制されており、糖尿病における陰茎海綿体平滑筋減少との関連が示唆された。また、IGF-1は正常血糖状態および高血糖状態のいずれにおいてもOCSMC-1の増殖能を亢進させており、EDの予防や難治性のEDに対する治療に結びつく可能性が示唆された。
|