研究課題
基盤研究(C)
生殖腺発達段階の前精祖細胞の特異的マーカーであり、かつ雄性生殖細胞の細胞表面に特異的に発現している新規GPIアンカー型蛋白質であるTEX101に関して、TEX101のmRNA(Tex101)を標的とするGFP-short hairpin RNA(GFP-shTex101)発現ベクターを開発し、TEX101発現のノックダウン解析を行った。1.TEX101解析モデルとしての培養細胞株の検索を行い、ヒト小細胞癌(Lu-134,-139,140)、および胚細胞腫瘍由来(NEC8,14)の細胞株を用いてTex101の発現をreal-time PCRで解析した。そのうち、Lu-140に微弱ながらTex101の発現を見出した。2.GFP-shTex101発現ベクターを作製し、その抑制効果を検証するために、マウス生殖細胞よりTex101をクローニングし、作製したcDNAをCOS-7細胞にトランスフェクションした細胞を作製した。その細胞を用いて、独自に作製した3つのGFP-shTex101ベクターの抑制効果の検証を行い、どのベクターも十分な抑制効果を持つことが明らかとなった。3.Electroporationによる生体中の精巣に直接ベクターを導入することをおこなった。成獣精巣への導入は困難であったが、それに対し、新生仔期の精子形成開始前の精巣へのベクター導入は可能であった。しかし、より多くの精細管でGFP-shTex101ベクターを発現させ、詳細な解析を進めることが課題と残された。4.順天堂大学大学院・荒木慶彦准教授と連携を進め、TEX101の分子生物学的な特徴付けを行った。今回の基盤研究により、生殖細胞特異的分子TEX101に対するGFP-shTex101ベクターの開発に成功しするとともに、生殖腺の発達、精子形成過程におけるTEX101の解析を進めることができた。
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