研究課題/領域番号 |
18591797
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
酒井 正利 富山大学, 附属病院, 助教授 (90242502)
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研究分担者 |
佐々木 泰 富山大学, 附属病院, 助手 (60324050)
塩崎 有宏 富山大学, 附属病院, 助手 (00235491)
斎藤 滋 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (30175351)
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キーワード | 早産 / サイトカイン / 妊娠高血圧症候群 / 細菌性膣症 / 子宮頚管長 |
研究概要 |
1.頚管長短縮例に対する治療法の確立 これまでに報告した、頚管長短縮例でも頚管炎を有する症例では早産率が高く、そのような早産ハイリスク症例に対する頚管縫縮術はむしろ早産率を増加させるという我々の結果から、現在は他大学との多施設研究で頸管炎のない頸管長短縮例に頸管縫縮術が有効か否かについてのRandomized controlled trial(RCT)が進行中である。また同時に、頸管炎のない頸管長短縮例に対して頚管縫縮術は施行せず、ウリナスタチン膣錠(1万単位)による抗炎症療法が有効か否かについてのRCTも進行中である。 2.妊娠中期血清中のGranulysin値測定による妊娠高血圧症候群の予知 現在、血清マーカーから妊娠高血圧症候群を予知することは困難である。我々は,妊娠高血圧症候群50例、正常妊婦50例の血清中Granulysin値を測定したところ、妊娠高血圧症候群の血清中Granulysin値では正常妊婦の値に比して妊娠中期から高値となっていることが判明した。すなわち妊娠高血圧症候群では発症前からTh1免疫が優位となることが明らかとなり、血清中Granulysin値は妊娠高血圧症候群の発症予知マーカーとして期待される。今後さらにデータを蓄積し、妊娠中期の血清中Granulysin値により妊娠高血圧症候群の予知が可能かを検討中である。 3.妊娠高血圧症候群のplacental bed biopsy検体におけるTh1細胞の集族の有無、ならびに炎症の有無の確認 妊娠高血圧症候群の着床部ではTh1優位になっているのみならず制御性T細胞も減少しており、さらにToll-like receptor(TLR)ならびにNF-kBを介した慢性炎症が存在しており、制御性T細胞の機能も抑制されていることが判明した。
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