研究課題/領域番号 |
18591820
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
新倉 仁 東北大学, 病院, 講師 (80261634)
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研究分担者 |
吉永 浩介 東北大学, 病院・助手 (40343058)
伊藤 潔 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (70241594)
八重樫 伸生 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00241597)
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キーワード | 子宮体癌 / 微小転移 / リンパ節転移 / ミッドカイン / ケモカイン / RNA干渉 / 子宮頸癌 |
研究概要 |
1.子宮体癌におけるリンパ節微小転移の検討:我々の開発した子宮体癌におけるセンチネルリンパ節(SLN)の同定方法にてSLNの同定が可能で、標準手術(子宮全摘、両側付属器切除、骨盤および傍大動脈リンパ節郭清)を施行した症例のうち通常の病理組織学検索ではリンパ節転移を認めなかった20例を対象とした。摘出された全リンパ節について200μm間隔で連続切片を作成し、抗サイトケラチン抗体(AE1/AE3)で免疫染色し、微小転移の有無について検索した。SLN全74個の中、4症例から得られた4個(5%)のリンパ節において微小転移が検出された。一方、全1350個の非SLN中1症例から得られた4個(0.3%)のリンパ節に微小転移が検出された。微小転移の検出部位は3例が外腸骨節領域で、2例が膨大動脈リンパ節領域であった。 2.子宮体癌手術標本から採取した組織を用いて遺伝子発現をマイクロアレイ解析した結果、癌の進展・転移によって発現が増強する遺伝子を22遺伝子選出した。その中から、サイトカインの一種でミッドカイン(Midkine, MK)遺伝子に着目し解析を進めた。Real-time PCRのよってもMKは子宮体癌組織、細胞株RL-95細胞で強発現していることを確認した。さらに免疫組織染色でもMK蛋白は癌組織中に発現しており、ELISA法で血清中のMK蛋白濃度を測定したところ癌の進行に伴い血清中のMK濃度の上昇が認められた。MK遺伝子を強発現している細胞株RL-95にMKのsiRNAを導入したところ細胞増殖が顕著に抑制された。今後、このRNA干渉実験系を用いて、Soft agar colony formation assay、Migration assay、Invasion assayなどを行い、サイトカインの一種であるミッドカインが子宮体癌の転移に果たす役割を解明していく予定である。
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