研究課題/領域番号 |
18591822
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
高橋 一広 山形大学, 医学部, 講師 (20292427)
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研究分担者 |
倉智 博久 山形大学, 医学部, 教授 (40153366)
堤 誠司 山形大学, 医学部, 助手 (50323168)
阿部 亜紀子 山形大学, 医学部, 助手 (30359567)
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キーワード | エストロゲン / プロゲステロン / 神経突起 / Rho / Akt |
研究概要 |
Steroid starvation下に培養したSH-SY5Y細胞に、10nMのエストロゲン(E)、酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)、プロゲステロン(P)を添加してから24時間後に神経突起を有する細胞数を調べた。その結果、E添加により神経突起を有する細胞数が有意に増加し(p<0.01)、この作用はPの併用では抑制されなかったが、MPAの併用により有意に抑制された(p<0.01)。Eにより誘導される神経突起を有する細胞数の増加は、エストロゲン受容体拮抗薬であるICI182,780、およびPI3 kinase inhibitorであるLY294002により抑制されたが、ERK inhibitorであるPD98059では抑制されなかった。Eによる神経突起伸長作用はMPAにより抑制されるが、プロゲステロン受容体阻害剤であるRU486を併用投与するとMPAの抑制作用がキャンセルされた。Eは添加後5分後にAktのリン酸化を促進し、この作用をPの併用では抑制しなかったが、MPAの併用では抑制することが明らかになった。また、Eは添加後5分でRac1、Cdc42を活性化した。この作用についてもAktと同様に、Pは抑制しなかったが、MPAが抑制することが明らかになった。また、EはRhoAを投与後5分で不活化し、この作用はMPAの併用によりキャンセルされることが明らかになった。 SH-SY5Yにdominant-negative(DN)Rac1またはDNCdc42を導入すると、Eによる神経突起伸長が抑制されることが明らかになった。 今回の研究により、SH-SY5Y細胞においてエストロゲンによる神経突起の伸長には、Estrogen→ER→PI3-k/A虹→Rac1、cdc42の活性化→RhoAの不活化→神経突起伸長という経路が存在することが示唆された。本研究内容は英文学術雑誌に投稿中である。
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