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2007 年度 実績報告書

神経回路形成に関わる神経突起の伸長における性ステロイドホルモン作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18591822
研究機関山形大学

研究代表者

高橋 一広  山形大学, 医学部, 講師 (20292427)

研究分担者 倉智 博久  山形大学, 医学部, 教授 (40153366)
堤 誠司  山形大学, 医学部, 助教 (50323168)
阿部 亜紀子  山形大学, 医学部, 助教 (30359567)
キーワードエストロゲン / プロゲステロン / 神経突起 / Rho / Akt
研究概要

Steroid starvation下に培養したヒトneuroblastomaのcell lineである、SH-SY5Y細胞に、10nMのエストロゲン(E)、酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)、プロゲステロン(P)を添加してから24時間後に神経突起を有する細胞数を調べた。その結果、E添加により神経突起を有する細胞数が有意に増加し(p〈0.01)、この作用はPの併用では抑制されなかったが、MPAの併用により有意に抑制された(p〈0.01)。Eにより誘導される神経突起を有する細胞数の増加は、エストロゲン受容体拮抗薬であるICI182,780、およびPI3 kinaseinhibitorであるLY294002により抑制されたが、ERK inhibitorであるPD98059では抑制されなかった。Eによる神経突起伸長作用はMPAにより抑制されるが、プロゲステロン受容体阻害剤であるRU486を併用投与するとMPAの抑制作用がキャンセルされた。Eは添加後5分後にAktのリン酸化を促進し、この作用をPの併用では抑制しなかったが、MPAの併用では抑制することが明らかになった。また、Eは添加後5分でRac1、 Cdc42を活性化した。この作用についてもAktと同様に、Pは抑制しなかったが、MPAが抑制することが明らかになった。また、EはRhoAを投与後5分で不活化し、この作用はMPAの併用によりキャンセルされることが明らかになった。
さらに、SH-SY5Yにdominant-negative (DN)Rac1またはDN Cdc42を導入すると、Eによる神経突起伸長が抑制されることが明らかになった。SH-SY5Y細胞においてエストロゲンによる神経突起の伸長には、Estrogen→ER→PI3→k/Akt→Rac1、 cdc42の活性化→RhoAの不活化→神経突起伸長という経路が存在することが示された。また、MPAはEの作用をキャンセルするが、Pは抑制しないことから、Pに近い作用が期待されている、合成プロゲスチン製剤であるジェノゲストについて現在検討中である。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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