研究課題
基盤研究(C)
1)子宮頸癌の発生機構の同定子宮頸癌はSquamo-Columnar Junctionにおいて軽・中等度異形成、高度異形成を経て癌に進展すると考えられていた。しかし、最近の知見により軽度異形成と高度異形成では感染しいているHPVの型が異なっていることより不連続の病変であることが示唆されていた。SCJに異型を伴う扁平上皮化生が発生することが知られているがその生物学的意義は不明であった。本研究では異型未熟扁平上皮化生が悪性型HPVの感染によっておこること、異型扁平上皮化生から高度異形成に進展する病変があることを示し、子宮頸癌の新たな発生過程を明らかにした。また、子宮頸癌の1%に腺成分と扁平上皮成分をともに認める腺扁平上皮癌があるが、この腫瘍は腺癌と扁平上皮癌がそれぞれ別個に発生し混在したのか単一細胞由来の癌が腺成分と扁平上皮成分の両極に分化したものかあきらかでなかった。われわれはクロナリティー解析により腺扁平上皮癌は単一細胞由来の癌が腺成分と扁平上皮成分の両極に分化したものであることを明らかにした。2)子宮頸癌の進行に関与する遺伝子の同定DNA microarryを用いた網羅的解析により子宮頸癌の発生・進行に関与する候補遺伝子を32個同定した。Real time PCR、免疫染色法による検討により、IGFBP5遺伝子が子宮頸癌の初期発生段階から発現が著しく減少していることを明らかにした。また、PIK3CA遺伝子の点突然変異および増幅が子宮頸癌の25%におこっていること、RUNX3遺伝子のメチル化による発現の低下が子宮癌の50%に起こっていることを示した。さらに、DNA microarryを用いた網羅的解析によりB7-H4遺伝子が卵巣癌のみならず子宮癌においても悪性度の高い癌を判別するマーカーになることを明らかにした。3)子宮頸癌における上皮-間質相互作用の解明子宮頸癌の間質から分泌されるHB-EGFが癌細胞に作用し、細胞増殖を促進することをin vitroおよびin vivoの系で明らかにした。
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