研究課題
基盤研究(C)
平成19年度初頭に大学動物実験室のマウス肝炎ウイルス汚染が発見され、飼育マウスを全頭屠殺した。半年間の観察期間後にもウイルス汚染が検出され、動物実験室閉鎖はまだ続いている。そこで、研究方向転換を余儀なくされ、今年度はin vitro解析を中心とした。(1)細胞株M由来新規アポトーシス阻害分子(MAAS)の精製とその分子性状の解析:(1)MAASの精製:アポトーシス抑制活性を指標に細胞培養上清からアポトーシス抑制分子MAASの精製を行った。部分精製MAASの大半はモノクローナル抗体作製のためマウス免疫に用いた。原因不明だが細胞株MのMAAS分泌量が予想外に大幅減少し(培養液血清ロット差か?細胞株変異か?)、精製収量激減からN末端アミノ酸配列決定に不足しており、追加精製を継続している。効率良い精製法確立のために、部分精製品での生化学的な分子性状解析実験はほぼ終了した。(2)MAASに対するモノクローナル抗体の作製:精製MAASでマウスを免疫し、マウス脾臓細胞でハイブリドーマ作製予定だったが、動物実験室汚染事件で免疫済マウスは屠殺された。動物実験解禁次第、再開する。(3)MAASのcDNAクローニング:動物実験解禁次第、再開する。(2)MAASによるアポトーシス抑制作用の分析:(1)各種細胞内シグナル伝達阻害剤を用いた、アポトーシス阻害機構の解析:動物実験中断のため、今年度は本実験が中心的研究成果となった。抗癌剤、放射線、Fas抗原刺激など各種細胞死誘発刺激の細胞培養実験系に部分精製MAASを添加し、細胞内シグナル伝達系の変化をwestern blot解析した。シグナル伝達阻害剤を用いて、MAAS効果の阻害が可能かどうかを検証した。同時に抗癌剤耐性化変異M細胞株の解析を行った。(2)中和抗体の作製とその阻害による癌細胞増殖阻害実験:動物実験室の汚染事件のため中和抗体樹立が完了せず、実験は中断し、次年度に再開予定である。(3)MAAS受容体に対するモノクローナル抗体の作製、および(4)MAAS受容体のcDNAクローニング:動物実験解禁次第、再開する。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
European Journal of Gynaecological Oncology 28(印刷中)
International Journal of Oncology 28
ページ: 497-508
Oncology Reports 15(4)
ページ: 939-947
European Journal of Gynaecological Oncology 27(3)
ページ: 243-246
Anticancer Research 26
ページ: 1413-1418