1)形態的に鼻閉が強く鼻呼吸障害のある人達に対し、鼻手術前後にてpolysomnographyにより呼吸形態および睡眠構築の変化を調べた。その結果、鼻手術後に鼻腔通気度が有意に改善したと同時に睡眠構築も%stage1が減少、%stage2、%REMが有意に増加。睡眠効率、全睡眠時間も有意に増加した。よって鼻呼吸障害が改善することによって睡眠の質も向上することが示唆された。また日中の活動度も術前後でEpworth Sleepiness Scaleにて検討し鼻呼吸障害が改善されることで日中の眠気が有意に改善されることが示唆された。 2)鼻閉、いびき、無呼吸がなく通常眠っているとき鼻呼吸である(事前に簡易呼吸モニターにてOSASが無いことを確認)健常人20人について昼間活動時と夜間にネーザルサイクルの変化を調べ、その違いを検討した。 それらの検討から以下のことが明らかになった。 (1) 睡眠中にnasal cycleの交代は20例中16例に認め、合計で21回(5例は2回、11例は1回)の交代点があった。 (2) 24時間中の平均nasal cycle数は10.0±4.1回で、平均周期は160.5±63.5分だった。 (3) 睡眠関連のnasal cycleは平均276.3±140.2分で、一方、覚醒時のnasal cycleは平均130.2±46.3分だった。 (4) 睡眠関連のnasal cycleは覚醒時のnasal cycleと比較し、その周期が有意に長かった。
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