• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

転写因子の制御機構を介した好酸球性副鼻腔炎に対するステロイドの有効性に関する解析

研究課題

研究課題/領域番号 18591868
研究種目

基盤研究(C)

研究機関広島大学

研究代表者

竹野 幸夫  広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (50243556)

キーワード好酸球 / 副鼻腔炎 / ステロイド製剤 / ステロイド受容体 / 細胞内転写因子 / GR subtype / サイトカイン・ケモカイン / LPS
研究概要

本研究は、好酸球性副鼻腔炎に対するステロイド製剤の有効性に関する基礎的・臨床的なエビデンスの構築を目的としている。具体的には、1)ヒト副鼻腔粘膜におけるステロイド受容体(GR)の発現と分布を分子生物学的に観察し、本製剤が副鼻腔炎に対して有する抗炎症効果について解析を行なう。2)ステロイドと受容体の複合体による細胞内転写因子の制御機構の解析を行なう。3)好酸球性副鼻腔炎症例に対して、外用ステロイド製剤の直接噴霧療法を試み、実際の臨床効果を検討するとともに、局所粘膜におけるGRの発現とサブタイプ比率の変化、との関連性について解析を行なう、などの点を目的としている。
本年度の研究成果としては、
1)副鼻腔炎粘膜の病理組織学的観察とGRの発現の解析:慢性副鼻腔炎の鼻茸・篩骨桐粘膜において、好酸球浸潤の有無とその程度を病理組織学的に検討し、同時にGRに関しては活性型のα typeと不活型のβ typeのそれぞれについても解析した。その結果、GR αの発現は浸潤炎症細胞、上皮や血管内皮などの構成細胞、などに観察された。一方GR βの発現は主として炎症細胞において確認され、好酸球性副鼻腔炎における分布密度は篩骨桐>上顎洞の傾向が観察された。さらに細胞内転写因子の制御機構を介した、局所サイトカイン・ネットワークとの関連性を検討したが、ステロイドの使用効果により好酸球関連サイトカイン、受容体発現の低下が観察された。
2)GR複合体と転写因子活性化の制御機構の解析:ヒト培養副鼻腔上皮細胞を用い、合成ステロイド製剤が転写因子活性化に及ぼす抑制効果をin vitro下に検討した。さらに細菌毒素成分であるLPS、PGNなどの刺激に対する培養上皮細胞の応答を、細胞表面におけるTLRの発現とサイトカイン産生能を指標として検討し、ステロイド製剤の有効性について考察を行った。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 小児アレルギー性鼻炎と合併症-副鼻腔炎との関連性を中心に- 特集 : 小児とアレルギー性鼻炎.2007

    • 著者名/発表者名
      竹野幸夫
    • 雑誌名

      JOHNS 23

      ページ: 11-14

  • [雑誌論文] 特集 : 病態に基づく副鼻腔炎の治療戦略 1. 副鼻腔炎の病態の変遷.2006

    • 著者名/発表者名
      竹野幸夫
    • 雑誌名

      JOHNS 22

      ページ: 5-9

  • [雑誌論文] 7. いわゆる好酸球性副鼻腔炎の診断と治療をどのようにするか? (組織学的所見の立場から) 特集 : 鼻科診療における論点.2006

    • 著者名/発表者名
      竹野幸夫
    • 雑誌名

      JOHNS 22

      ページ: 1467-1472

  • [雑誌論文] 3) 副鼻腔炎病態とケモカイン. II. 耳鼻咽喉科 特集 ケモカインとアレルギー.2006

    • 著者名/発表者名
      竹野幸夫
    • 雑誌名

      アレルギー・免疫 13

      ページ: 46-53

  • [雑誌論文] LPS, PNGの培養副鼻腔粘膜上皮おけるNP-κBの活性化に及ぼす影響.2006

    • 著者名/発表者名
      西 康行
    • 雑誌名

      耳鼻咽喉科展望 49

      ページ: 204-207

  • [雑誌論文] 当科における内視鏡下副鼻腔手術の治療成績-アレルギーの関与を中心に-.2006

    • 著者名/発表者名
      宮里麻鈴
    • 雑誌名

      耳鼻臨床 補117

      ページ: 60-65

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi