研究課題/領域番号 |
18591870
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
兵頭 政光 愛媛大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (00181123)
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研究分担者 |
脇坂 浩之 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (30304611)
本吉 和美 愛媛大学, 大学院医学系研究科, 講師 (70322279)
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キーワード | 嚥下障害 / 嚥下内視鏡検査 / スコア評価 / 嚥下造影検査 / 唾液貯留 / 声門閉鎖反射 / 咽頭クリアランス / 経口摂取 |
研究概要 |
嚥下障害は様々な原因によって起こり、またその病態や重症度も多様であることから、個々の患者ごとに適切な治療を行うためには嚥下障害の病態や重症度を客観的に評価することが必要である。そこで本年度は、嚥下内視鏡検査による嚥下機能のスコア評価を試み、嚥下造影検査との比較からその信頼性および有用性について検討を行った。 平成15年9月から18年12月までの間に愛媛大学医学部附属病院耳鼻咽喉科を受診した、脳血管障害および神経筋疾患による嚥下障害例42例(男性35例、女性12例、平均年齢65.3歳)を対象として、嚥下内視鏡検査と嚥下造影検査を施行し、それぞれビデオ録画した。嚥下内視鏡検査のスコア評価項目は1)喉頭蓋谷・梨状陥凹の唾液貯留、2)声門閉鎖反射(気道防御反射)の惹起性、3)着色水(3ml)嚥下による咽頭クリアランス、としそれぞれスコア0〜4の4段階にスコア評価した。また嚥下造影検査では、造影剤嚥下後の咽頭クリアランスを0〜4の4段階にスコア評価するとともに、喉頭流入および誤嚥の有無を判定した。 嚥下内視鏡検査のスコア評価結果を、臨床経験10年以上の医師、臨床研修医、臨床経験5年目の言語聴覚士、各2名で比較したところ、「喉頭蓋谷・梨状陥凹の唾液貯留」と「着色水嚥下による咽頭クリアランス」は評価者間のばらつきが少なく、障害程度を客観的に評価することができた。一方、「声門閉鎖反射の惹起性」は検者間でのばらつきがやや大きく、検査手技の統一化が必要と考えられた。嚥下造影検査との比較では、嚥下内視鏡検査による咽頭クリアランスは嚥下造影検査における咽頭クリアランスや誤嚥の程度との間に有意な相関を示した。さらに、嚥下内視鏡検査スコアと経口摂取状況との間にも有意な相関が見られ、本評価法は経口摂取の可否の判定にも有用と考えられた。
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