今年度は三和化学研究所工場で作成した濾紙スティックの安定性、安全性、有用性を検討した。各味質・濃度毎に測定したが、極めて安定していた。庶糖を例にとると、0224±0.027g/L、0.512±0.099g/L、1.236±0.247g/L、2.274±0.264g/L、3.988±0.183g/Lと濃度勾配は保たれ、偏差も10%前後であった。また、5味質、5濃度の計25標本において食品衛生基準に基づく一般生菌数、大腸菌数、真菌数を測定した。一般生菌数と大腸菌数はいずれの標本も3.3個未満であり、食品製造用の水基準100個よりはるかに少なく、味覚検査に当たって口の中に入れても種々の感染を引き起こす可能性はないことが証明された。また、製造12カ月後にも再度一般生菌数、大腸菌数を測定したが、上記基準のはるか下であった。このことより、少なくとも製造後1年の安全性は証明された。有用性については、35名の正常者において検査を行い、各味質とも濃度1、濃度2で90%の被験者が正解し、これが正常域と判断された。味覚障害患者9名についても検査を行い、濾紙ディスクと同様の結果を得た。
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